委 員 宮 川 潤 君 委 員 坂 本 恭 子 君
委 員 田 中 昭 男 君 委 員 小 林 郁 子 君
委 員 松 浦 忠 君
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開 議 午後1時
○飯坂宗子 委員長 ただいまから,第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,大越委員からは遅参する旨の届け出がございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第2款 総務費 第2項
企画調整費中関係分及び第3項 市民生活費中関係分を一括して質疑を行います。
◆小林郁子 委員 私の方からは,国勢調査についてお伺いをいたします。
ことしは,国勢調査の年に当たっておりまして,しかも,10年に1度の,調査項目が22項目にわたる大規模調査の年であります。10月1日現在の調査で,9日までに回収となっていますので,今はもう既に大部分回収されたことと思います。
この調査のために,全国で,
国勢調査指導員,それから調査員が90万人,国費は700億円が投じられていますけれども,札幌市においても,膨大な業務のために大変なご努力をされたことと思います。
国勢調査は,1920年が1回目で,ことしが17回目ですけれども,その間,
社会経済情勢が変化しておりますし,人々の意識も変化しております。特に,近年は個人情報の漏えいという事件が数々起こっていることもありまして,調査に市民は慎重になっております。国勢調査は,収入とか学歴とか配偶者の有無,勤め先など,極めて
プライバシーにかかわることを調査するものでありますので,多くの課題があると思います。
そこで,その国勢調査につきまして,
調査そのもの及び実施にかかわって数点お伺いをいたします。
初めに,実施にかかわることでございますけれども,調査のために,本市では,指導員が1,400人,実際に各世帯を回る調査員は1万3,000人と聞いております。調査員は調査のかなめともなるもので,この方々の言動によって,調査に不信を抱いたり,不快な思いをさせられるわけですけれども,調査員を,多くの調査員をどのように選任されたのか。近隣の江別市などでは公募をしたということも聞いておりますけれども,札幌市はどのような方法をとられたのか。
それからまた,1調査区50世帯ぐらいの単位に分けて,調査員は1ないし2調査区,訪問をするわけですけれども,朝早く行ったり,夜遅く訪れたりとか,3回ぐらい来て,3度目になりますよとか言われて,余りいい気持ちがしなかったという人もいるのですが,そのような調査員に対して,訪問する際の研修とかも行っていると思うのですけれども,どのような研修をされているのか,お伺いをしたいと思います。
それから,特に
プライバシーについては,80年の調査で密封方式が認められるようになったということですけれども,今回,シールを張ってもよいということになっていますが,気をつけて見なければわからないくらい,そのシールというのが小さいわけですね。これについて,調査員がどこまで各世帯に説明をしたのかということをお伺いしたいと思います。
そしてまた,あのシール,私も実際に張ってみましたけれども,張っても,中が見えるようなものだったと思うのです。そういうようなことを考えて,例えば,封筒に入れて出したいとか,直接,市に出したい,あるいは郵送したいということで伺った際に,それはできないのですと,だめですと言われたということですけれども,なぜそれができないのか,そのあたりを説明していただきたいと思います。
それから,調査員によって,本当にこの
プライバシーが守られているのかどうなのかというのを一番危惧するところなのです。市と区役所に,今回,相当数の
問い合わせ,苦情が寄せられていると伺っておりますけれども,どのくらいの件数があって,どのような内容なのか,今時点でわかることをご説明いただきたいと思います。
ここまで,とりあえずお伺いいたします。
◎波田 企画部長 ただいまの国勢調査に関することについて,私の方からお答え申し上げます。
まず,1点目ですけれども,調査員の選任方法でございます。
国勢調査につきましては,調査を漏れなく,そしてまた重複なく行い,また,調査が夜間に及ぶ場合の調査員の安全等も考慮しますと,やはり地域の状況に詳しい方を選任する必要があると考えておりまして,まず,地区ごとに構成されております
統計調査員協議会の方々,それからマンションの管理組合や管理人の方々,さらに町内会等を通じてお願いをしてございます。
また,調査員の研修でございますけれども,全体で350回ほどの研修の機会を設けまして,各区ごとに実施をいたしました。その際,先ほども例として挙げられておりました訪問時間帯についてですけれども,これも常識的な時間に訪問するように指導しておりますが,そういった時間に面接できない世帯もございまして,その場合は,よい時間帯を知らせていただきたい旨のメモを入れまして,世帯と打ち合わせするようにも指導してございます。
また,
調査票封入提出が今回初めて実施されましたが,これにつきましても,総務庁の説明を受けまして,この
事務打ち合わせ会におきまして,特に質問があったとき以外には,口頭での説明は控えるようにというふうに申し合わせをいたしました。これについては,調査員の説明の仕方の差によって,あるいは聞き取り方によって,各世帯にその趣旨が正確に伝わらないことを懸念したものでございまして,結局,シールを張っても張らなくてもいい扱いになっておるという点から,こういう措置をいたしました。そのために,口頭ではなくて「調査についてのお知らせ」,これ全世帯に配付するものでございますが,これですとか,あるいは「調査の記入のしかた」等にシール貼付の方法,封入の方法を明記いたしました。世帯の方々に封入提出について理解できるようにしたものでございます。
また,札幌市におきましても,広報さっぽろ等々を通じまして,封入提出の方法をPRいたしましたので,この封入提出の方法につきましては,承知していただけたものと思っておるところでございます。
また,調査票の直接提出あるいは郵送提出の可否でございますけれども,これにつきましては,
国勢調査員が調査票を配付し,また回収することが,国勢調査令によって定められております。これは原則として定められております。その理由としましては,調査票の回収期間がまちまちになったり,あるいは調査が漏れなくされたかどうかの確認が困難になるというような理由によりまして,原則による提出をお願いすることとなっております。しかし,やむを得ず,直接,区役所等に調査票を持ってこられたり,あるいは郵便で送られた場合については,それは受け取るということにしてございます。
次に,今回の苦情等でございますけれども,
問い合わせ,あるいは苦情の件数につきましては,まだ調査期間中でございまして,正確なものではございませんが,各区の実施本部から聞き取りをした範囲でお答えしますと,約1万8,000件ということでございます。前回は,およそ6,000件でございましたので,約3倍の状況になってございます。
これらの苦情で,多いものにつきましては,一番多いのは,調査票の受け渡しの日時の連絡に関するものでございまして,これが約8割でございます。残りのうち,多いものにつきましては,調査員からの調査方法に関する
問い合わせ,あるいは世帯からの調査票の記入の仕方に関する
問い合わせ,そして,今お話のありました調査票の封入提出に関する
問い合わせや苦情等でございます。
以上でございます。
◆小林郁子 委員 今お伺いしますと,調査員になられる方々は,地域をよく知っているということで,どうしても身近な人になるわけですね。マンションの管理人とか町内会の方とか,地域を知っているという意味で非常にいいのでしょうけれども,それがまた,受け取る側にとって,
プライバシーに極めてかかわることを出すものですから,プレッシャーになるということもあるのかなと思うので,今後の選任方法の一つの考察すべき点にしていただきたいなと思っております。
それから,シールにつきまして,口頭では特に説明をしないということで統一をしていらしたということなのですけれども,年寄りだとか,なかなかわかりづらいわけなのです。その辺も,もう少し柔軟さがあってもよかったのかなという気はいたします。
それから,続いてお伺いをいたしますが,前回,80年の大規模調査のときに,これは民間の方々が調べたものですけれども,調査の項目で抵抗があるものの順位が出ていたのですが,一番大きいのが学歴ですね。それから配偶者の有無,それから労働力の状況,それから生年月日というのがあるわけですけれども,こういう書きたくないものについて,部分的に記載をしないとか,あるいは全面的に記載をしたくないというようなことがある場合に,
国勢調査法では罰則規定があるわけなのですが,それを適用するかどうかは別としまして,市としては,そういう無記載のものに対してどういう対応をされているのか,そこをお伺いしたいと思います。
それから,国勢調査は全数調査ということもありまして,最近,
高齢単身者,それから外国籍の方が多いわけですけれども,調査票に記入するのが困難なような方についてはどのような配慮がなされているのか,お伺いをしたいと思います。
それから次に,国勢調査の項目についてでございますけれども,項目についても幾つか疑問に感じるところがございます。
一つは,世帯単位になっているということ。これは,世帯として把握しなければならないというものがあるからだと思いますけれども,なぜ一人一人の調査票ではだめなのか。個人として把握されてよいのではないかという気がいたします。その点と,それから,氏名と電話番号を書くようになっておりますけれども,これは統計の数値として将来的に把握されるものですので,実際は関係のないものだと思います。これを例えば,別表にして後で切り離すことができるようにしておくのが理想ではないかと思うのですが,そこのところについては,札幌市としてはどのようにお考えか,お聞かせいただきたいと思います。
それから,札幌市では,いつも国勢調査が終わりました後で,独自集計をされておりますけれども,今回もこれについて行うのかどうなのか,行うとすれば,どのようなことに生かされていくのか,そこをお伺いしたいと思います。
◎波田 企画部長 それではまず,調査票で未記入があった場合の取り扱いにつきましてお答えしますけれども,未記入の欄があった場合,まず,その調査票が封入されていない場合につきましては,調査員または区役所から電話等で照会をさせていただくことになります。また,封入提出された調査票につきましては,区役所の方から必要に応じて,世帯に
電話照会等によって確認をさせていただくことになってございます。
それから,高齢者あるいは外国人の方々への配慮でございますが,高齢者のうち,特に,例えば,調査票の文字が小さくて読めないという場合につきましては,
拡大文字調査票という普通の2倍の大きさの調査票がございまして,これに記入していただくことができます。また,世帯の方から,調査票の
記入そのものを依頼された場合には,調査員が代理で記入することもできるという扱いになってございます。
それから,外国語しか理解できない,いわゆる外国人への扱いでございます。調査票につきましては,すべてこれ日本語のものがあるのみでございまして,外国語しか理解できない世帯があった場合につきましては,まず,
外国語連絡票という国勢調査の概略を記した書類がありまして,17カ国語のものでございます。これをお示しをしまして,そこで,世帯の方が使用する言語を特定できましたら,今度,
調査票対訳集というのがございます。これを用いて調査票に記入していただくことになってございます。
次に,調査項目でございますが,まず,世帯単位での調査の意味でございます。これは,一つには,かつてほど世帯単位の調査の意味が強いものとなっていないかもしれませんけれども,日本においては,やはり世帯が生活の基盤となっているという理由が一つございます。もう一つは,例えば,少子化の問題ですとか,高齢化に伴う独居あるいは介護の問題など,世帯構造と切り離せない行政課題が数多く存在するという理由によるものとされております。
それから,氏名と電話番号につきましては,現在採用されている様式は,切り離すことはできないわけでございますが,すべての人を漏れなく,重複なく,そして正確に調査するために,後日,記入漏れがあった場合の確認・照会のためにそれを使わせていただいているということでございます。
次に,札幌市の独自集計でございますが,これは,速報といたしまして,12月中旬をめどに,まず世帯数と男女別人口について公表する予定でございます。それから,その後,国から提供されるデータを用いまして,詳細な集計を行って,「札幌の人口と住宅」という報告書として,これを取りまとめていく予定となってございます。
この調査結果につきましては,ご承知のとおり,各部局の事業にかかわる
計画策定等の基礎資料として幅広く用いられているところでございます。
◆小林郁子 委員 先ほどの,記入されていなかったところについてのことでございますけれども,記入されていなかった場合は,じゃ,電話をかけて聞き出して書くということですね。どうしても答えたくないとかそういうものも,とにかく聞き出すと,そういうことなのでしょうか。そういうことをちょっとお伺いしたいなと思いました。
また,今後,5年後になりますけれども,国勢調査があるわけです。90年のときのその国勢調査のときですが,
プライバシーを守る中央会議というのが「国勢調査110番」というのを設けております。ここに寄せられたものとしまして,顔見知りの調査員に対する抵抗感があるという方が65%ぐらい,それから,調査員の守秘義務に対する不信感が56%ぐらいあったと聞いております。
現在のように,
調査員制度をとる限り,
プライバシー侵害事件というのは起こるのだろうなと思います。しかも,封筒に入れるのはだめであると,それから郵送もだめ,持ち込みもだめと,原則だめということであれば,市民の協力が,今後,本当に得られていくだろうかという不安があるわけですけれども,このあたりのことを市としても,国に要望すべきかなと思いますが,その点いかがか,お伺いをいたします。
また,本市独自で改善できることがあるのかどうなのか。全般的には国の要領に従ってやらざるを得ないのだと思いますけれども,本市独自でやることができるのかどうなのかということなのです。
それからまた,国勢調査は,
国勢調査法に基づいて行われますので,協力しない場合には罰則規定もあるということです。税金と同じで,市民には,税金と個人情報と,とにかく提供が義務づけられているということになるわけですけれども,そのことを考えますと,ここでも医療の場と同じように,市民に対して説明して同意を得て,それから協力をしてもらう,いわゆる
インフォームド・コンセントの概念が適用できないのかと思うのです。私は,この調査を見まして,そういうふうに思いますが,市としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
それから,この調査を見まして,変わっていないなと感じることが一つございましたが,それは仕事に関する調査です。その家事の部分ですけれども,日本の社会を支えている高齢者の介護とか育児とか家事労働という無償労働について,この調査では,そこに一つ家事と丸をつければ,それで終わってしまうのです。それ以上の詳細なデータを必要としていないように見受けられるのですが,家事などの,いわゆる
アンペイドワークについて明らかにする必要があるのではないかと考えますけれどもいかがか,お伺いしたいと思います。
また,今回のこの調査の見本を見ますと,本当に典型的な日本の世帯の例かなと思うのですが,夫が働いていて,妻が家事をしている,それから,夫は大卒で,妻は短大卒と,いわゆる男は仕事,女は家庭という,そのパターン化された例が出ているわけですが,
男女共同参画社会をこれから進めようというときに,こういうことについてはどうなのか,お伺いをしたいなと思います。
◎波田 企画部長 最初に,未記入項目について電話でまた確認をするということでございますが,どうしても教えてくれない場合は,それは調査不能ということで処理せざるを得ないと思います。できるだけご理解と協力をお願いしながら,お聞きするということが基本姿勢でございます。
それから,いろいろ制度改善に向けましては,従来から,各自治体の方から国にいろいろと要望を出してございます。私どももそのようにさせていただいておりますが,例えば,全
世帯封入提出という方法につきましても,これも従来から,各自治体の方から要望として上がってきているところでございますが,残念ながら現在のところ,そういう扱いにはなっておりません。
しかし,今後,これは全国的に統一した処理をするということが前提になっておりまして,地域によっては,そういったことに批判的なところもあるようでございまして,なかなか一律の対応をとりにくい面もあるようでございます。しかしながら,次年の17年の国勢調査に向けた
各種検討会あるいは試験調査の機会がありますので,それらを通じまして,今言いました封入提出の方法も含めて,個人の
プライバシーにより配慮した調査方法がとられるように,総務庁に対しても積極的に働きかけをしたいと思っております。
次に,
インフォームド・コンセントについてでありますが,統計調査を実施する目的は,あくまでも正確な統計を得ることでありまして,それには,市民,世帯の方々のご協力があって初めて達成されるものであるというふうに私どもも理解しております。したがいまして,正確な統計を作成する上で,より市民の方々のご理解が得られ,また,ご協力が得られるような調査方法が採用されていきますように,札幌市としても努力をしていきたいと,このように思っております。
また,
アンペイドワークでございます,収入を伴わない労働ということになりましょうか。労働に従事しているという視点からは,極めて重要なことであるというふうに考えておりますが,残念ながら現在の国勢調査の枠組みの中におきましては,就業者の定義が,収入を伴う労働に従事する者というふうに規定されておりますので,今後,この定義が見直される場合,あるいはまた,新たな調査項目として採用されるということを待つほかはないと,待つことになろうというふうに考えてございます。
いずれにしても,今後,よりスムーズにいくような国勢調査の実現に向けて,我々も中央省庁の方にいろいろ働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
◆小林郁子 委員 実際は,北広島だとか石狩市では,封筒に入れて持っていってもいいですよと,市の方に持っていってもいいですよと調査員が言っていたり,そういう意味で,混乱があるのかなと思っております。
それから,
問い合わせ,苦情合わせて1万80件あったということも考えますと,かなりもうこのやり方では限界に近づきつつあるのではないかなと思いますので,市の方としましても,ぜひ改善に向けて国に働きかけていただきたいと思っております。
以上で終わります。
◆大嶋薫 委員 私からは,地下鉄の
需要喚起策について伺わせていただきます。
地下鉄の
需要喚起策,これは札幌市の交通事業の健全化策ということで,1991年12月に策定されたものに基づいて,この中には,経営効率化あるいは受益者負担,
財政支援等々ありまして,その中のいわば根幹にかかわる部分として,
需要喚起策が立てられているのかなという気もしております。その中で,戦略的な施設配置,あるいは交通計画的なもの,都市計画的なもの,それぞれ
事業計画メニューが当時立てられておりました。交通計画的なものについては,これまでもいろんな場面で都心交通のあり方等々含めて,あるいは
マイカー規制等々含めて,論議もさせていただきました。この残りの2点,需要喚起についての戦略的配置にかかわる部分,それから,都市計画的な需要喚起について伺いたいと思います。
戦略的施設配置等による
需要喚起策,これは,いわゆる1日4万人
プロジェクトということで計画が立てられておりまして,前半の91年から96年までの5年間で2万,それから,それ以降の来年度,計画から10年,最終年度を迎えるわけですが,その5年間で2万人と,合わせて4万人という形で一定程度の施設配置を年度別に計画を立てながらこの実現を図るというふうな考え方で来ておると思うわけです。98年の1定の
特別委員会での答弁では,96年までの5年間で,第1次2万人
プロジェクトにおいては,約75%の執行率だと,実績が上がっているというふうなことをお答えいただいて,一方,2001年度までの達成は,事業再評価等の影響もあり,かなり厳しいというふうなことも答弁としていただいております。
現段階,来年度は先ほど申しましたように最終年度ということになるわけですけれども,最終年次の達成見込みについて,これはどのようになっているのかという点をまず1点伺います。
2点目は,都市計画的な需要喚起についてであります。
これも,ある意味で,この都市計画的な需要喚起ということについては,基礎需要を押し上げていく。これまで論議されておりますように,計画と実績との乖離が年々広がっているのだと,20万人を超える乖離になっているのだということは既に論議されているわけですけれども,ただ,先ほどの
戦略的施設配置で4万人上乗せは上乗せとして,
基礎的需要をやっぱりきちんと増加させていかなければ,この全体計画も成り得ないということの中で,この都市計画的な需要喚起という面での取り組みがなされてきたのかなという感じがしています。
それで,この中で,沿線及び後背地での定住人口の張りつきを促進し,あわせて高度な土地利用を進めるというふうな内容で,92年,97年の用途地域の見直しの中で,地下鉄沿線を中心とした容積率が緩和されております。この容積率の緩和によって,実際に地下鉄の需要喚起にどのような効果を生み出しているのかという点,そしてまた,この中に都市計画の方針として高度利用市街地における整備促進が示されておりますが,この施策はどのような形で進められているのか。そして,このことがどのように地下鉄利用促進につながっていると考えておられるのか,この点について伺います。
◎横山 交通環境担当部長 私の方から,まず,4万人
プロジェクトの達成見込みの点,それから,都市計画的な需要喚起のうち,用途地域の見直し効果,この点についてお答えを申し上げます。
まず,1日4万人
プロジェクトの達成見込みでございますが,お話にございましたとおり,平成4年から平成8年の第1次2万人
プロジェクトにつきましては,約1万4,900人,達成率75%となっております。また,平成9年度から13年度にかけての第2次2万人
プロジェクト,これは,現時点では,13年度の見込みも含めまして,約1万6,700人程度というふうに推測しており,これは達成率は83%程度。合わせまして,全体で3万 1,600人程度,達成率で約79%と見込んでいるところでございます。
次に,用途地域の見直しによる需要喚起に対する効果ということでございます。
地下鉄駅の中心から半径750メートル圏内の地下鉄沿線における用途地域の変更面積,これは過去2回,平成4年,平成8年に行われてきておりますが,この範囲で調査をいたしました。この範囲に入る用途地域の変更面積は,約700ヘクタールでございます。この700ヘクタールにつきまして,平成2年度末と平成10年度末の建物の延べ床面積を調査いたしましたが,その結果では,延べ床面積が地下鉄全線において56%程度増加いたしております。内訳を申し上げますと,南北線の沿線で73%,東西線で49%,東豊線で57%,それぞれ増加いたしております。
また,この間の市街化区域全体の延べ床面積の増加を調査いたしましたが,全市で約22%程度の増加でありました。したがいまして,地下鉄沿線の伸びは顕著である結果が出ております。
このような状況から推察いたしますと,沿線の土地利用が徐々に進み,地下鉄の需要増へと結びついているものと判断いたしております。
以上でございます。
◎千葉 計画部長 私の方からは,都市計画的な
需要喚起策のうち,2点目の高度利用市街地における施策展開についてお答え申し上げます。
本市におきましては,都市計画の方針となる「市街化区域及び市街化調整区域の整備,開発又は保全の方針」の中で,都心や地域中心核などの拠点とその周辺,地下鉄沿線等を高度利用市街地として位置づけておりまして,土地の高度利用へ向けた各種の施策を実施することとしております。
具体的に申し上げますと,高度利用地区や再開発地区計画の決定,さらには市街地再開発事業,土地区画整理事業の実施などの施策展開を図ることで,住居系や業務系の床面積をふやし,土地の高度利用を促進することとしており,これらの取り組みが用途地域の見直しとあわせて地下鉄の需要喚起につながっているものと考えております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 今,それぞれお答えいただいたわけですけれども,戦略的な施設配置,この部分について,第1次については75%,第2次については83%,合計で79%,ほぼ8割ぐらいの達成率を見込んでいるということでありますが,当初に立てられた計画,それぞれの施設配置を一定程度念頭に置いて,それぞれの施設配置による需要増ということも数字として示されております。これを見て,これは実際にこれまで論じられてきたように,利用交通形態の変化ということがかなり影響されているということは論議されてきておりまして,大規模な施設配置,戦略的な施設配置においても,かなり5年,6年とたっている施設について,果たしてそのとおりの需要増に数字としてなっているのかどうかという点については,かなり疑問符をつけなければならないのかなという気がしています。
もう一方,それぞれの計画で見た中で,果たしてプラス・マイナス,事業の再評価等々の中で,かなり繰り延べされているもの,あるいは予定された事業が,やはり立てられた年次が高度成長,バブルの最終局面ということの中で,かなり過大な計画になっているのかなという面を差し引いても,この数字が本当に実績として上がっているのかどうかという点について,これは多少,疑問を感じざるを得ません。
これは,きちんとした利用実態調査ということがなければ,はっきりした数字がつかめないということは確かでありますので,この点,要望といいますか,次の計画を立てる上で,あらゆる面でそうですけれども,しっかりとした実態調査を踏まえた数字の積み上げということが必要なのかなと思いますので,要望とさせていただきます。
2点目の都市計画的な需要喚起についてでありますけれども,今,容積率の緩和について,それから高度利用地区への計画整備ということでの全体の長期的な流れの中で,あるいは都市構造,それぞれを見る中で,需要増につながっているのではないかというお答えであります。
ただ,容積率の緩和ということで,一つ考えてみますと,実際には,再開発あるいは住宅自体が,いわゆる1人当たりの延べ床面積がどんどん広がっているといいますか,旧来3DKであれば50平米ぐらいだったものが,今,80平米が普通です。住んでいる人間の数は,親子3人だったり4人だったりと,変わっていない。そうすると,延べ床面積がそのまま人口の張りつきにつながっているのかどうかという点は,これ慎重にやはり検討しなければならない。実際の数というのは,やはりそういうことを勘案して押さえなければならないというふうな気がしています。そこで,この点は,先ほどの点とかかわって,やはりきちんとした数字の押さえということでの要望ということにさせていただきます。
95年の3定,これは私自身が質問をさせていただき,お答えの中で,計画年次がおくれたり,不確定なものは,各種のソフト施策の展開,あるいは公共交通全体の利用促進を図る総合的な交通施策の推進などにより,当初計画の需要確保に努めたいと。これは,先ほどの戦略的な施設配置を補完する形で都市計画的な需要喚起というふうな意味合いでお答えされていると思うわけですけれども,この都市計画的な需要喚起が
戦略的施設配置のおくれを補完できたというふうに考えておられるのか,また,今後,地下鉄の利用促進にどのような取り組みをされるお考えなのか,この点について伺います。
◎横山 交通環境担当部長 都市計画的な需要喚起が
戦略的施設配置のおくれを補完できたかということでございます。
これは非常に難しい問題だというふうにとらえておりまして,結果といたしまして,戦略的なところを見ますと,4万人
プロジェクトにつきましては,先ほど申し上げましたけれども,計画の達成が難しい,そういうところはあろうかと思います。
ただ,計画された施設が,順次,今後も整備されていくわけでございます。これらが徐々に需要増につながると考えていること,また,その都市計画的な
需要喚起策のうち,用途地域の見直しによる効果も,先ほども申し上げましたが,今後さらにあらわれてくるだろうということで考えておりまして,数字的な判断は今のところまだできないでおりますけれども,そういうような効果があらわれるものと考えております。
また次に,今後の取り組みということでございます。
まず,総合交通対策調査審議会の答申だとか,審議経過を踏まえた検討を行い,また,人の移動がさらに活発になるよう,各種イベント誘致だとか,集客交流産業の振興を図るとともに,また,街づくりの面においても,都心を初めとした街の魅力あるいは活力を一層高めるなど,地下鉄を主軸とした公共交通機関の利用促進に向けて,総合的な取り組みを続けていきたいと,こういうふうに考えてございます。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 今,お答えいただいた中では,先ほどお示しした95年の3定でお答えいただいたようにはうまく進んでいないということなのかなというふうに感じます。
ただ,4万人
プロジェクト,これは10年という一つのスパンを区切って立てられている。都市計画的なものについては,かなり長期的な計画としてどのようにとらえるのかということでの個々の判断もまた必要かなと思います。
そういうことで,都市計画的な
需要喚起策についての一定程度の目標,数値まで挙げれるのかどうかわかりませんけれども,かなり今後の計画については,そういった面が必要かなという気がしています。というのは,やはり需要喚起というのは,冒頭申しましたように,この再建計画の核となる部分でありますから,この数字の積み上げ,これ戦略的な施設配置だけでなくて,交通計画的なもの,あるいは都市計画的なものをどういった形でしっかりと積み上げていくのかというところがなければ,健全化策自体が砂上の楼閣といいますか,成り立ち得ないというふうにも感じております。
また,これまで,それぞれ都市計画的な各種
プロジェクトが,ここ数年いろんな形で取り組まれておりますけれども,それぞれの施策がどのように具体的に地下鉄あるいはバスですね,公共交通の利用促進に結びついていくのかということについてのしっかりとした点検,そしてまた,それぞれの施策にどのように責任を持つ体制をつくり上げていくのかという視点がなければ,再建策自体がかなり長期にわたるわけですが,はっきり言えば,再建策自体を根本からどこかで見直すきっかけといいますか,契機もつくれない,あるいはそれが本当に可能なのかどうかという論議もまたできないということになります。
そこで,今後の地下鉄利用促進の全庁的な取り組みについて,今,私がいろいろ指摘させていただきましたけれども,どのように取り組んでいかれるのかという点について,これは助役からお答えをいただきます。
◎大長 助役 段々のご質問がございましたけれども,私どもといたしましても,本市の交通全体,そして,中でも,今お話ございました地下鉄の利用促進ということにつきましては,本市の最重要課題の中の一つだというふうに思っておりまして,したがいまして,少なくとも何とか現状を固定させたいものだというふうに強く願っているところでございます。
そんなことから,これまでに策定されてまいりました
需要喚起策,それから4次の長総というようなものを初めといたしまして,ご質問にもありましたように,新たな社会経済状況の変化といいますか,そういうようなことを十分踏まえたさまざまな観点からの取り組みをしていかなければならないというふうに思っているところであります。
したがって,これらの点を踏まえて,その利用促進につきましては,今まで以上に全庁的に取り組みをしていきたいというふうに思っているところであります。
◆三浦英三 委員 私からは,IT革命に対応した取り組みについてお伺いをしたいと思います。
この件では,さきの代表質問において,我が会派の涌井議員が市民サービスの向上と行政事務の改革,効率化という視点から,IT革命の対応の必要性,さらには
プロジェクトの設置,電子市役所の構築について市長にお聞きしたところであります。ここでは,もう少し掘り下げて,具体的な内容についてお聞きしたいと思います。
今,政府のIT戦略会議では,四つの戦略について議論がされております。1点目に,超高速のインターネット網への集中投資,2点目に,電子商取引実現を阻む諸規制の撤廃と新しいルールの創設,3点目に,電子政府の実現,4点目に,超高速のインターネット時代を担う人材の育成,以上4点であります。
これを本市に当てはめてみますと,1点目の超高速のインターネットの件につきましては,本市の場合では,庁内LANに対する投資になるのではないかと,このように思うわけであります。自治省が,情報化施策等の推進に関する指針でも,庁内LANはすべての情報化施策の共通基盤となる基礎的な情報システムであり,早急に取り組むべき事項であると,このように言われております。2点目の諸規制の撤廃と新しいルールに関しては,ITに対応する条例,規則などの整備のことを言うのではないかと思います。3点目の電子政府の実現は,電子市役所の構築に当たると思われます。4点目の人材の育成に関する施策の中には,情報拠点の整備や住民情報リテラシー,つまり情報機器を使いこなす能力の向上対策などが該当するのではないかと思うわけであります。
そこで,2点についてお伺いをいたします。
1点目は,庁内LANに関する本市の具体的な取り組みについてであります。
本市では,早くから行政内部の情報ネットワークの整備について取り組んできたと,このようにお聞きをしております。
そこで,現在のネットワークの整備状況について,また,現在のネットワークの利用状況とさらなる拡張計画があれば,お示しをしていただきたいと思います。
2点目には,市民の側から見た質問になりますけれども,行政が積極的にみずからの情報化やその他の情報化施策を推進することによって,市民にとっては,ワンストップサービス,また,ノンストップサービスが享受できます。さらには,自宅にいながら,行政情報の取得やサービスを受けることが可能になるというメリットもあります。市民に対する情報やサービスを提供するための拠点を東札幌に建設すると聞いておりますけれども,この施設の具体的な役割と将来構想をお示し願いたいと思います。
あわせて,こうした時代の流れ,技術革新のスピードになかなかついていけない,いわゆる情報格差の問題に対して,市としてはどのようなお考えをお持ちなのか,お聞かせを願いたいと思います。
◎小川 情報化推進部長 IT革命に対する取り組みについてのご質問にお答えいたします。
最初に,庁内LANに関する取り組みについてでございますが,平成11年度から,行政情報ネットワークの構築を開始いたしました。このネットワークは,行政内部の情報の共有化を図り,市民に向けまして情報の提供を行うために,防災情報ですとか市民情報,庁内のイントラネットなどの共通の基盤として,本庁,区役所,区民センター,土木センターなどを接続しております。
具体的には,各部の庶務担当課まで敷設されましたネットワークによりまして,ことし10月現在で2,935台のパソコンが接続されております。今後は,職員1人1台体制に向けましたネットワークの構築を段階的に進めてまいりたいと,このように考えております。
次に,情報拠点の役割と構想についてでございますが,本市では,平成14年度中に,情報交流拠点としての仮称市民情報センターを開設いたしまして,この拠点を通じまして,積極的に行政情報の提供を行っていきますほか,市民やNPOなどの団体,企業,大学といった産・学・民の情報もあわせまして,集約化を図り,提供し,このような情報を核とした市民の交流の拠点といたしたいと,このように考えてございます。
また,市民が直接的に情報化のメリットを感じることができる施策の一つとして考えられます申請ですとか届け出などをオンラインによりまして行うということにつきましても,今後の検討の中で,重要な役割を担っていくものと,このように考えております。
次に,情報格差への対応についてでございますが,これまで生涯学習センターですとか区民センターなどにおきまして,パソコンの講座を開設するなどして対応してまいりましたが,この市民情報センターにおきましても,インターネットやその他の最新の機器を利用でき,また,研修の場を用意するなどいたしまして,ITの恩恵が実感できるような施設にしてまいりたいと,このように考えております。
◆三浦英三 委員 ただいまの回答で,IT革命に対応する基本的なシステム,これがきちっと,ネットワークが各部まで本市では既に敷設をされていると。それから,相当数のパソコンが,今,接続をされているということでありました。
ですけれども,このIT革命は,ますます改革のスピードを速めていくと思いますので,ぜひとも本市も乗りおくれないように,全市的な取り組みをぜひともしていただければなと思います。
あわせて,市民サービスの向上を主眼にして,具体的な検討を早めて,このIT革命の流れに的確に対応していただければなと,こういうふうに思っているわけであります。
そこで,もう1点だけ質問したいのですけれども,今,国では,IT化を積極的に,かつスピーディーに推進していくために,情報インフラの整備を行っております。さらには,人材の育成等といった要件に対応しようとしております。そのほかに,多くの国民に,どんどんITを使ってもらうためには,面白い,楽しい,そういうコンテンツを充実させることが重要であると,このように考えているようであります。
そこで,国の堺屋経済企画庁長官が担当大臣として,新千年紀記念事業,インターネット博覧会「インパク」を開催すると,このように聞いております。先日,報道されたところによりますと,本市もこれに参加するとのことでありますけれども,この事業の規模や他自治体の参加状況,さらには札幌市としてどのような目的とテーマでこの事業に取り組むお考えなのか,最後に,お聞かせを願いたいと思います。
◎小川 情報化推進部長 インターネット博覧会「インパク」についてお答えいたします。
この事業は,国が,2001年を新千年紀出発の年と位置づけまして,ことしの12月31日から来年の12月31日までの1年間,インターネット上で国際的な博覧会を開催するものでございます。
他の自治体の参加状況でございますが,現在のところ,46道府県,それから本市を含む10の指定都市が参加表明をしております。ちなみに,北海道も「アウトドア」をテーマとして参加することとなっております。このほか,現在,民間企業等の募集を行っており,最終的には200余りのパビリオンがネット上に参集することを目標としているというふうに聞いてございます。
本市といたしましては,シティPR,地場産業の育成,あるいは新技術の振興と地域の情報化の推進を目的として参加するということにしたところでございます。また,このテーマに関しましては,札幌らしく,また,だれもが親しみを持て,全国,全世界の人々が参加できるよう,そして楽しめる「ラーメン」というテーマを選定いたしまして,現在,準備を進めているところでございます。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 私は,民間資本主導型の公共資本整備,いわゆるPFIについて質問いたします。
第2斎場の建設に当たっても,この手法,PFIが用いられるとのことです。この方法は,財政状況の厳しい公共団体が,公共事業を行う際に,比較的容易に資金調達を行うことができると見られているようですが,反面,公共と民間との間のリスクの分担を初め,懸念されることも指摘されているものであります。
そこでまず,本市がPFIの手法を取り入れるのはどういう効果を期待してのことなのか,財政面,サービスの質でどうなのか,明らかにしてください。
また,第2斎場をPFI推進モデル事業に選定した理由についても,あわせて明らかにしてください。
◎波田 企画部長 まず,PFIに期待される効果ということでございますが,さきの代表質問において,市長がその目的についてお答えを申し上げましたように,一つは,民間の資金あるいは技術力などの活用によりまして,事業コストの削減が図られると。そして,市民に対して低廉かつ良質な公共サービスを提供することができる。それと,民間の新たな需要機会を創出することによりまして,地域経済の活性化につなげていくというような視点,さらには,公共サービスの新たな提供システムを構築することによりまして,市民・企業・行政の適切な役割分担に基づくパートナーシップを形成していくという点が主なものでございます。
それから,第2斎場につきまして,これをPFIで実施する理由でございます。
主な理由につきましては,幾つかございますが,やはり大きな公共投資になる,それについてどう考えるかというのが,そもそもの出発の原点でありましたが,言ってみれば,事業そのものが非常に画一的と言うと,ちょっと言葉が悪いのですけれども,安定的な事業であると。それと,需要といいますか,市民サイドのニーズそのものも比較的大きなものがあるのではないかと,そういうところで,いわゆる民間の資本を導入する事業としてふさわしいものがあるであろうというのが大きな理由として挙げられます。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 財政面では,この方法は,私は,必ずしもコスト削減になるとは考えられませんけれども,ただいまの答弁で,コスト削減ということもありましたので,そうなるとすれば,結局は,どこでコストを削減するかというと,労働者の賃金ですとか人数ですとか,そういう労働条件にそのしわ寄せがなされるということになるのではないでしょうか。だとすれば,それでも質の高いサービスが提供されるということになるのか,疑問であります。
サービスの質について,どう担保されるのか,この点について考え方をお示しください。
また,コストそのものについてでありますけれども,しばしばPFIについて言われることは,そのコストの平準化が図られるということについてよく言われております。PFI導入の大きな動機と考えられるところでありますけれども,つまり,事業の企画から建物の建築,その維持管理とサービス提供という事業の流れ全体を見ると,資金の需要は,初期の建設時に突出することになります。この急激な資金需要を避けるために,リースのような一定の資金需要がなだらかに続くPFIを導入するということであれば,結局,事業の総体で見れば,長い目で見れば,コスト高になるということはないのか。長い事業期間を考えると,その途中で,民間事業者の事情から契約の変更を迫られ,それでコスト高になるということもあると思いますが,そういうことはないとお考えか,伺います。
第2斎場ということで伺いましたけれども,なぜ第2斎場をやるのかというと,大きな公共投資になるということでありました。
本市の厳しい財政状況の中で,大きな公共事業を出しやすい方法としてお考えなのか,その点についても改めてお答えを願いたいと思います。
◎波田 企画部長 まず,1点目でありますが,結局,そのPFIを実施することによって,コストの削減で質の高いサービスという,その本来の目的が担保されるのかという最初のご質問でございますが,この事業の実施に当たりましては,民間事業者の提供するサービスが協定等,これ契約でございますけれども,協定等によってあらかじめ定めた質を確保しているかどうかということを常に監視をしていくということが大事なポイントでありまして,これは,市の立場としても,当然行わなければならないことであります。
また,国の基本方針,これは3月に示されておりますが,それでも,協定などにおいて,選定業者によって提供されるサービスの内容,質,それからサービス水準の測定,評価方法をきちっと規定しなさい,さらには,公共施設の管理者が提供される公共サービスの水準をきちっと監視しなさい,さらに,事業の実施状況報告の提出なども求めるべきであるということ,この点について,あらかじめ事業者側と合意しておくことが必要であるということになってございます。そうした考え方にのっとって,十分な監視を行うことによりまして,質の高いサービス提供の担保が図られるというふうに考えてございます。
また,全体として,これはPFIですから,20年,30年という長い年月,長いサイクルで進むわけですけれども,そうした場合にも,結局,コスト削減につながるのかというご質問でございますが,事業全体を見据えた,いわゆるライフサイクル全体のコスト削減という考えは非常に重要であるというふうに思っております。これにつきましても,例えば,その公共サービスが同一水準であった場合で,事業期間全体を通じて公的財政負担の縮減が期待できる場合,これは妥当であろうと。また,公的財政負担が同じ水準にある場合であっても,サービスの水準の向上ということを期待できる,そういった事業選定の基準が,国の方針においても示されております。
したがいまして,市民負担の増大を招かないということがPFIでの事業実施の前提となっておりますので,ご懸念のようなことはないというふうに考えてございます。
また,第2斎場を取り上げたのは,もちろん大きなといいますか,財政負担ということも考えられますけれども,やはり事業の性格上,PFIになじむのではないかと。それと,今後,札幌市もこのPFIという手法については,いろいろと事業ノウハウ等を積み重ねていって,可能な範囲でこのPFIという事業を進めていきたいという考えがございます。
そこで,一つのPFIモデルとして,第2斎場というものを取り上げてみたということでございます。
◆宮川潤 委員 第2斎場にかかわってでありますけれども,私,最初に質問したのは,第2斎場をPFI推進モデル事業に選定した理由は何かということで,そこではっきりと答えていらっしゃいますね,大きな公共投資だからと。つまり,財政状況が厳しい中で,大きな公共投資をやるということのための手法としてPFIを考えたということではないですか。今の答弁で,結局,性格上,なじむ事業だと,こう言われても,それははっきりした答弁ではないなと。むしろ最初の方がはっきりしていたというふうに思いますよ。
また,PFIについては,ライフサイクル全体のコスト削減ということで,ご懸念のことはないなどという答弁でありましたけれども,私が具体的に懸念して言った内容,つまり,労働条件等のことについては全く否定されずに,ご懸念のことはないと言っても,それでそのとおりだというふうになかなか納得できるものではありません。
また,私は,長い事業期間の途中で,いろいろと民間事業者の事情から契約の変更を迫られるということもあるのではないかという,この点についても指摘しました。
リサイクルセンターの中に,東芝がプラスチックの油化工場と一体的に建設すると,一体的に進めると言ったプラスチックの選別施設ですけれども,これもPFI的手法だと私は思いますが,プラスチック収集量が確保できないという中で,油化工場がどうなるのかというのは見えない状態にだんだんなってきました。異常とも言える債務負担行為まで設定して,一体的に進めた選別工場がどうなるのか,見えないような状況になってきたじゃありませんか。
宮の沢のバスターミナルでどうだったでしょうか。丸井が進めると。この宮の沢の問題も,私はPFI的手法だというふうに思いますよ。丸井が進めると言ってきたものが,経営上の問題から,結局は本市の第三セクターがそれを引き継がざるを得なくなってきたということがあるじゃありませんか。
PFI的な手法は,結局,最初に契約といっても,後で大きなリスクを負わなくてはならない危険な側面がある。慎重に検討しなくてはならない問題だということを指摘して,終わりたいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 私は,統計に関連をして,大きく1点,ご質問をさせていただきたいと,こう思っています。
今,企画部企画調査課統計調査係,こういったところを中心にして,毎月発行している統計さっぽろ,あるいは,個々別に一定の冊子にして報告をするという形での統計,こういった部分で,大変ご努力をされているという状況に一つはある。一方で,本市が相当部分の統計をやっていながら,さらに道や国,こういった公的な統計業務も一方にある。もう一つは,企業倒産など,その状況などを民間レベルで状況把握をしているというようなことで,統計そのものもいろんなところで具体的に取り組んでいると。問題は,こうした統計結果を行政内部でどう生かしているかという点について,質問していきたいと,こう考えています。
例えてということでお話をさせていただきたいと思いますが,毎月出される統計さっぽろの中でも触れておりますけれども,少子化の問題です。
それで,いわゆる合計特殊出生率というのが,一昨年は1.11,そして,その前の年は1.08,昨年は1.05というような数字が出るかのようなお話も聞かせていただいているところですが,率直に申し上げて,人口を維持するという点で言えば, 2.1という特殊出生率を維持させていかなければいけないという状況になることはご理解いただいていようかと思いますが,そういった数字と比較をして,大きく下回っているという状況の中で,いわゆるこの少子社会というのは拍車がかかって,とめどなくいくという現状にあるのではないか。
あるいはまた,ことしに入って,失業率の面で見てみますと,もう既に皆さんご存じかと思いますが,1月−3月期は,まさに大変な状況で,北海道の失業率は6.5%,4月−6月は,全国は4.9だけれども,北海道は5.8%,非常に高い完全失業率の数字が出ています。
それで,問題は,このような統計の数値あるいは分析結果などについて,それぞれの事務を所管する部局が施策にどう活用するかという,その活用していくというようなところを意識して,重く受けとめて,私は対応してほしいと,こう考えているのですけれども,必ずしも,そう受けとめられていないような気がしてならない。すなわち,統計業務というのが,血が通うがごとく,それぞれの原局で十分に生かした形で施策展開がされているかという点では,率直にどうなのかなという疑問を感じざるを得ない。
そこで,2点ほど質問させていただきたいと思っているのですが,本市において,統計の分析結果が施策に十分活用されていないのではないかと,統計の所管部局として,この辺をどう考えているか。
それから,2点目としては,分析結果を提供する側として,分析だけで役割を終えるのではなく,施策の展開に生かされるよう働きかけていく必要があるのではないかと。具体的には,今後の行政課題につながる部分や分析結果の中で懸念を生じた部分について,関係部局に対し,その都度提供していくことが必要ではないかと,こう考えているところですが,その辺についてどう考えるか,まずこの2点。
◎波田 企画部長 札幌市の統計の分析あるいはデータにつきましては,委員のご質問にもありましたとおり,先ほど言いました国勢調査,さらには各種統計調査の結果や人口動態,簡易生命表,産業連関表といったものについて,その都度,分析,解説を加えまして,統計さっぽろなどで公表してございます。
そこで,1点目のこうした統計の分析結果が,事業を進める部局において,札幌市の施策に十分活用されていないのではないかというご質問でございますが,ことしからスタートいたしました4次長総あるいは5年計画の策定,さらには各部局におきます計画策定や施策展開の基礎資料として活用されていると考えておりますけれども,私どもとしましては,先ほども言いましたが,かなり多数の市民の協力を得て収集された膨大なデータをもとに分析しました貴重な資料でございますので,もっともっと積極的にこれを政策に生かし,活用していただきたいというふうな思いがございます。
次に,2点目ですが,これを分析するだけではなく,施策に生かされるように,企画サイドの働きかけの必要があるのではないかというご質問につきましては,まず,各部局におきます施策展開に当たりまして,各種統計結果などにより,常に社会情勢の変化,その動向をデータ上もしっかりと把握して進めていかなければならないと考えております。これまでも,分析結果の提供につきましては,グラフや図面などを用いて,わかりやすく,使いやすくを念頭に工夫してきたところでありますが,ご指摘のありました点につきましても,例えば,施策との乖離あるいは新たな課題が生じた場合は,別途,適切なコメントを加えて,関係部局に提供するといったことですとか,あるいは緊急に対応が必要な事柄,あるいは問題点がこちらの方で把握できましたときには,関係部局の連絡会議を招集するといった形で,より効果的な提供,働きかけを行っていきたいというふうに考えてございます。
◆猪熊輝夫 委員 一応,前段の質問に,できるだけ密接な関係を持って,その統計そのものが,逐次,変化をしていく,そのことをしっかり見きわめて,その問題点を浮き彫りにしながら行政施策に生かしていくというお話ですから,そのことについてけしからんと言うつもりはありません。問題は,それぞれ原局,原局ということで,連携をとってやっていただくというところはそれでいいのだけれども,しかし,今,一つ一つの課題という点で見ていったときに,必ずしも原局1局で対応できるかどうかというと,どうしても縦走的に横のつながりをして,一つの課題について立ち向かっていくという解析,あるいは方針の立て方というものをしていかないと,なかなか立体的に見えてこないという気がしてなりません。
そこで,僕は,一つの例として,先ほど申し上げた少子化の問題や就労問題などについて,問題提起というか,一つの考え方を提起しながら,この場合,助役の方からご答弁いただければと,こうあえて申し上げて,最後にだれと言うと申しわけありませんので,あらかじめ答弁を求めて,質問をさせていただきたいと思うのです。少子問題を保健福祉局という形で対応するというのが,本当になじむかどうかという点で言うと,月刊統計などでは,女性の晩婚化の問題だとか,あるいは女性の社会進出,こういった部分が少子化という状況の要因の一つであるという触れ方をしているところですが,いわゆる保育行政が今日まで来た,その姿がこれでいいのかどうか。あるいは,途中から幼稚園行政というものが生まれて,就学前の乳幼児に対する分け方が発生してきたということが本当にいいのかどうか。あるいは,そういう意味で,トータル的に就学前の乳幼児対策というのが,箱物で言えば,こういう受け皿がそのままでいいのかどうかとか,あるいは児童手当が国会でいろいろと議論されているところで,1万円,5,000円などの議論がありますけれども,果たしてこれでいいのか。税控除などの面で住民の思い,こういったものがどういったところにあるのだろう。あるいは,乳幼児医療制度は,0・1というところを0・1・2まで乳幼児医療の無料化ということで具体化してきたけれども,就学前というところまでいくべきなのかどうなのか。それが,それぞれの所得階層で,所得とのにらみ合わせの中でどうなのかと。
あるいは,もう一方で,育児休業というのがここへきて,休業中はゼロ歳児は無給で,そして1歳からは育児時間,こうなっているけれども,本当にその母親を中心にした両親の意向というものが生かされる形で取得しやすい状況にあるのかどうか。あるいは,日本独特な,ある面での時間外労働,この子育ての,どちらかが少なくても時間外労働はしなくていいよということにするのかしないのか。はたまた,その核家族というようなことを含めた住宅問題というのがどうなのか。
こんなことなどなど,まだあると思うのですけれども,これだけ拾っても,札幌市で言えば,保健福祉局,教育委員会,市民局,都市局と,四つの部局に及ぶと。あるいは,国で言えば,今こういう省庁なくなったのかもしれませんが,厚生省や文部省や労働省,建設省,こういう形でまたがっていくと,こういう状況を考えていったときに,私は,企画調整局企画部企画課というところなどがまさに中心になって,事務局があえて保健福祉局でもいいけれども,全市的な取り組みということで展開をしていかないと,本当の意味で市民が期待をしている就学前対策になっていかないのではないか。
そして,そのことは,これこれは国に期待をするしかありませんと,率直に。しかし,末端自治体としては,これこれはできますと。しかし,財政とのにらみっこの中で,できるだけ皆さん方の期待にこたえていくように,こうしていきますという方向を指し示すということが,今はだめだけれども,何とか近い将来よくなるなということで,安心して,産み育てたいという思いの人方が決意をするというような形にやっぱりなっていくのではないかと。そんな意味で,決して不親切だとは言わないけれども,少しか,市民に対して理解を求めていく施策の提示が不十分ではないのかという感じがしてなりません。
そんな点で,僕は,こういったことこそ,企画課で具体的にそれぞれの部局と連携をしてこたえていくという姿勢が重大な課題だという認識に立つとすれば,具体化する取り組み姿勢を持つべきではないか。
もう一つは,就労問題なのですけれども,本市の産業構造などの分析をしている。そして,サービス業主体だというようなことを含めて,札幌市の就労状況というのは把握をしている。
言うまでもなく,国や北海道は,北海道の産業配置計画というのを立てて,千歳から札幌というのは,サービス,情報,こういったもの,あるいは官庁配置,そして,千歳から苫小牧,室蘭方面に,いわゆる製造業などを中心にして配置していこうというようなことになっている。黙っていたら,サービス業主体の札幌市の産業構造というのは,多元化していかない。
しかし,高校・短大・大学卒業,あるいはリストラなどを含めて,あるいは公共事業の土木建築が減少して,他の事業に職場を変えていかざるを得ないという人方に対して,それらの受け皿というのがサービス業だけでいいのか。あるいは,国で言う情報産業や福祉産業という形で受け皿になり得るのかというようなことを考えると,僕は,必ずしもそうなっていかないと。やっぱり製造業ということを意識した産業配置というものをどうしても組み立てていかなきゃならぬ側面としてあるのではないかと。あえて僕は,そんなことを懸念する。
市民が幸せを実感できるのは,まず働くことですから。働く場を行政が挙げて,その期待にこたえていくように,関係機関と連携をとるということに反対する人はいなかろうという前提に立つとすれば,これもまた,経済局にゆだねるとかというのではなくて,これも企画を中心にして,やっぱりしっかりとやると。
そして,それは,今日の財政事情ということで,全部事業を縮める,縮めると言って,来年度の予算について記者会見している。そういう状況に追い込まれたのは,ひとり札幌市の責任ではないとは思うけれども,少なからず,責任というか,重大な市民の期待を裏切るかのような形で今日まで来たことだけは事実ですから,それに対してどうこたえていくかというようなことで,大きなテーマについて,原局を事務局とするのではなくて,これは企画調整局の設立当時の趣旨に返って,しっかりと取り組んでいくということが大事ではないかと,こう実は本当に僕,間違っているかもしれませんが,思い詰めているのです。
そこで,ぜひ,助役から,そのことについて取り組んでいく決意というものを出していただいて,職員全体が本当に,助役が言っても,それ違うと,助役,こうやった方がいいのだというようなことで白熱した議論が生まれていく。助役の言うことは黙って聞かねばいかぬというふうな社風があるとすれば,そういった役所の風土があるとすれば,そういったことをぬぐって,挙げて市民の期待にこたえていくというような,そういう状況を企画を中心にして,私はつくってほしいという思いを持って,質問いたします。
◎大長 助役 どういうふうに答えていいかわからなくなるような大きな質問でございまして,私なりに答えさせていただきます。
初めにおっしゃいました,企画がすべての施策,本市の頭脳として,そしてまた,いろんな手足を伸ばしていくためのものとしての原点だというお話は最後に少しさせてもらいますけれども,まず,少子化ということでお話をさせていただければ,委員のおっしゃるとおり,あらゆる施策が複合的に生かされていって,そして,その結果,少子化が解決されていくということでなければ,これはもちろん解決されない問題だというふうに私は思っております。
その中には,おっしゃいましたように,例えば,教育の問題もあれば,街づくりの問題もあれば,経済の問題もあります。しかし,それにも増して,私が一番大事だなと思っているのは,子育てを現にしている人たちに対する手だて,そういうものが一番やはり大事でないかと。例えば,手当の問題,それから,何にも増して育児休業,それも充実した育児休業でないとだめなのですね,そういうようなこと,それから,例えば,子供を産み,育てて,そして学校へ上がる前のことであれば,幼保一元化を進めていかなければならないとか,そういうようなことに総合的に対応することによって,少子化がだんだんよくなってきて,そして,産み,育てられていくのではないのかというふうに考えております。
そういうことには,私どもも今のところ,力を入れると言いながら,まだまだ十分入っていないというようなことは,私ども反省をしておりますけれども,今後に期待をしていただきたいというふうに思います。
それから,就労のことでありますけれども,公共事業がいいだとか,これが減ればいいだとか,そういうことではなくて,私は,やはり今言っております,日本がこれから世界の中で全体として生き残っていくのにどうするかというようなことであれば,やはり総合的な産業構造ということは必要ではありますけれども,中でも,やはり私は,ITの部分だとか,それから,福祉の部分でやっていくと。特に札幌市の場合には,そういうことも必要でないかというふうに思ってございます。
しかし,札幌には大きな製造業というのがないので,これをどういうふうに誘致あるいは育成していくかということについては,今,私ちょっと申し上げることができないわけでありますけれども,全体として,先ほど申し上げましたように,偏った消費あるいはそれに関連した産業だけがあればいいというものではなくて,やはり総合的な体制づくりによって,経済の活性化が生み出され,納税され,そして働く場が確保され,そして,それが,産み,育てることにもつながるし,高齢者の福祉にもつながるのだというふうに考えるところでございます。
そういう中で,それぞれの部局が縦割りの関係,あるいは横の連携をとると言いながらも,十分な連携でないというようなお話でありますけれども,これは私も,今の体制の中ではそういうふうに思います。それぞれの担当部局で頑張っていることも事実でありますけれども,今後につきましては,私ども札幌市の頭脳であり,先ほど申し上げましたように,すべての事業の骨格を成す企画調整局が,あらゆる部分で,今まで以上に十分な力を発揮するためにも,委員のおっしゃったようなことについて,私どもも十分に検討しながら,今後の施策に生かしていきたいというふうに思います。
◆猪熊輝夫 委員 市民は,一番身近な札幌市に対して,ある面ではすべてを期待するのですよ。
そこで,いわゆる国・道,国・県・市,国・道・市,こういう役割分担がある中での施策,要するに行政執行なのですと。ここはやれる部分ですと。やれるけれども,残念ながら,制度と金のつきぐあいによって限界がおのずと出てきますと。さらには,これはあくまでも国の施策ですというようなことを指し示して,そして,みずからが努力できる部分は頑張りますと。できない部分は,政令都市会議,あるいは全国云々かんぬん,ありとあらゆる機会,それから議会も含め,市民の力もかりてというようなことで,向かうべきところには向かうというようなところをやっぱりはっきり指し示すというやり方。いわゆる僕は何を言いたいかというと,建前でバラ色なことを幾ら言っても,信用を失って,それはもう聞く耳を持ってもらえない。だから,もう本音でいくということで,本当に今日の制度の状況というものを市民にしっかりと知らしめながら,どこまでやれるかということの目標値を指し示していくということが僕は大事ではないかと。そして,このままいったら,いずれにせよ日本沈没するどころか,これ死ぬしかないのだから。もう既にいろんな制度が壊れていっていますよね。これ,だれも叫ばないわけだ。いや,叫んでいるのだけれども,政治が具体化に向かっていかないで,選挙制度がへったくれだの何だのって,そんなことばかりやっている。だから,生活に密着した具体的なことがしっかりと解決していっていない。そういうところが問題だと思うから,どこからやれるかという点で,せめて僕が声を出せる身近なところから,そこへ向かっていってほしいという思い入れで発言をさせていただいている。
それから,もう一つは,就労問題で,僕は,決定的に企画が不十分だなと思っているのは,目標設定がない。長総や5年計画で,新たに,どの部分でどの程度の就労というものを拡大していこうというようなことを,つらいけれども設定して,そこへ挙げて向かっていくという,そのことが市民にこたえていく姿。しかし,できなかったのはこういうことでできなかったということで,率直に言えばいいと思う。そのぐらいの決意を市民に見せて,見せる以上,意地でもそこへ向かっていかなきゃいかぬという,挙げての体制というものを僕はやっぱりつくっていった方がいいのではないかと。だから,スローガン的なことでは,もうだめだというところです。そのことだけ。
そして,道見さんが今言ったけれども,「おまえ,この目標を達せられなかったのでないか。何さぼってたのだ。」というような末梢論をするのでなくて,本当に立ち向かうような議論で,なぜできなかったのかという点で,改めて反省をしながら,体制を立て直して向かうというようなことで市民の期待にこたえれば,今はつらいけれども,もう少し我慢したら,頑張って具体化してくれるなということで,やっぱり札幌市民でよかったということになるのじゃないでしょうか。
僕は,そのことだけ,あえて質問させていただいて,予算の重点施策ということで掲げているこの項目が,少なくても企画を中心にして展開をされていく,そこに値,味が出てくるのだ,いわゆる市民の期待にこたえられるものだと,こういう視点を持ったものですから,発言をさせていただきましたが,最後の質問に対して,どなたかご答弁お願いします。
◎高橋 企画調整局長 大変難しい質問ですけれども,猪熊委員がおっしゃろうとしている意味は,我々なりに理解をしたつもりでございます。
これからは,市民に対してしっかり,いろんな説明をはっきりしていくと。そして,その決意を示しながら,いろいろ頑張っていかなきゃいけないということは,これは肝に銘じてしっかり頑張っていきたいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 漏れてる。目標設定しろって,これ一生懸命言っているのだけれども。
◎高橋 企画調整局長 就労の目標設定ということでしょうか。いろいろ勉強してみなくちゃいけない面もあろうかと思いますけれども,そういうものに向かって頑張っていきたいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 今は,結果は,議論していないからそうなるのかもしれませんけれども,札幌市のいろいろな施策展開というのは,最近,目標設定が具体的になかなかないのですよ。ということは,スローガンなのです。スローガンで振り返って経過報告ができるようにという,いろいろな思いを込めてそうなっているのかもしれないけれども,それやっぱり市民に対して不親切なのです。ですから,僕はやっぱり一つ一つの施策というものは,どこまで向かうというようなことを指し示すべきだと。
僕は,今は難しいというのであれば,あえて今求めるという気はありませんけれども,しかし,そういう形でやって,行政マンすべてがみずからに課題,目標を課して,そこへ立ち向かっていくという姿勢が市民に伝れば,その目標に到達しないからけしからぬというような形でやるような市民だったら,残念ながら政治意識,行政意識をもう少し高めていただいて,なぜできなかったというやりとりをして,「そうか」というような形で理解を深めて,知恵があれば,市民もパートナーシップとして,ありとあらゆる自分たちの経験を注入して,行政が立つ,そういったものになっていくという形になればいいと思っていますから,常にプラス思考で頑張ってほしいということをつけ加えて,あえて終わります。
◆井上ひさ子 委員 手稲区の街づくりのコミュニティバスを取り入れた交通網の整備について,1点質問したいと思います。
手稲区では,幹線道路の整備は,この間,二十四軒通の開通も含め,比較的進んできておりますが,JRを挟んで南北に分断されています。公共交通機関はバスですが,利便性は必ずしも高くありません。地下鉄が宮の沢に来たことによって,中央バスの都心までの直行便は,1便もなくなりました。また,JRも,3割残してほとんどが地下鉄経由,そういう中で,都心に出るのも大変な状況になっています。また,この区内を見ましても,老人福祉センターや図書館,体育館,公共施設はいずれも北側にあって,かねてから,バス路線に対しての要望が強く,区や交通局にも要望が出されておりました。
この間,手稲区の連合町内会協議会が中心になって,中央バスを利用してモデル運行としてコミュニティバスを走らせたところ,大変関心も高まり,運行してほしいという声も強まっています。
このたび,JRのエリアで,期間を決めて試験運行を実施されると聞いておりますが,どのように交通網がこれによって整備され,また,運行ルート,期間,便数など,どのようになっているのか,お尋ねしたいと思います。
◎横山 交通環境担当部長 ただいまの手稲区におけるバスの試験運行についてでございますが,運行を予定しておりますJR北海道バスからは,次のとおり概略伺ってございます。
期間は,11月1日から来年3月31日までの試験運行,それから,日中の運行ルートは,手稲駅の南口から高台通,富丘通,そこから下がりまして,稲積公園駅を経由し,前田橋,手稲区役所を経て,手稲駅北口に至るルート。便数は,平日で21便,日曜・祝日で15便程度,料金は160円,停留所は19カ所という計画で,現在,運輸局に申請中というふうに伺ってございます。
以上でございます。
◆井上ひさ子 委員 現在,JRが主体の交通網に手稲区はなっているのですけれども,このコミュニティバスをJR駅まで接続運行すると,住民のいろいろな目的地に向かっての利用範囲というのは大変広がりますし,JRの利用圏も補うことができます。そういう中で,やっぱり生活に密着した交通手段として,私,今求められているというふうに思うのです。しかし,これも11月1日から来年の3月31日までの期間限定になっているだけに,大変不安もあります。
本市においても,民間業者がこのようなバスを走らせて,実は,今,見合わせているところもありますし,採算性の問題を考えますと大変流動的です。そこで,バス事業者の経営努力が求められているというふうに思うのですけれども,行政としても,こういうふうなバスを運行させる,そういう中に何らかの支援策が考えられないものかということを,私,考えておりました。
その中で,基準を設けてやるべきでないかなというふうに思うのですけれども,お話を聞きましたら,国や道において,過疎地に対しての補助があるというふうに聞いたのです。こういうことも含めまして,今,規制緩和で,来年度に向けて大きくバス事業も転換していくわけでありますから,国に対しても,この辺のところを強力に求めていくべきと考えますが,いかがですか。
したがって,はっきりここのところを解決していくという点では,やはり用途地域をもう一度変更するということだというふうに思うのですけれどもいかがか,お尋ねをします。
それから次に,円山公園と周辺地域での環境保全対策についてです。
これは,やっぱり積極的に取り組むべきだと思うのですけれども,そうなっていないということなのです。
我が党も,代表質問で,景観条例に基づく地区指定や風致地区の拡大,用途地域の変更など求めました。答弁では,保全の手法については,私権の制限など伴うものがあり慎重に対応すると,こういうことでしたね。これは,規制の問題はあります。しかし,ここね,工夫して,どうやって住民の強い声にこたえるかという行政側の工夫がやはり足りないと思うのですね。
そういった点では,円山を景観形成地区に指定していないというような実態ですから,こういうおくれがここを犠牲にしてきているというふうに思うのですけれどもいかがか,お尋ねします。
◎千葉 計画部長 まず,1点目の円山と円山周辺の景観基本計画における位置づけについてでございますが,札幌の豊かな自然環境のシンボル的存在の一つとして,広く市民の方々に親しまれており,景観基本計画の中でも,「山麓市街景観ゾーン」の中に位置づけられております。お話のありました景観形成上の誘導目標を掲げているところでございます。
それから,2点目の明治以来の歴史と緑を保全すべきでないかというご質問でございますけれども,円山は,本市の街づくりにとって,ゆかりの山でありますし,原始の緑を含む貴重な市民の財産であると考えております。
したがいまして,円山そのものは天然記念物として指定されているところでございまして,また,円山と円山公園を中心に,既に風致地区に指定されておりまして,その保全が図られておるところでございます。
また,今後も緑を保全する方針に変わりございませんが,眺望の保全等につきましては,まだ市民の間に多様な価値観等がございますので,今後につきましては,社会的な合意を得て検討していく必要性があるものと考えております。
それから,2点目の,用途地域をもとに戻すべきでないかということでございます。
これは,総務委員会でも,何回かお答えさせていただきましたけれども,当該地区については,平成8年度の新用途地域の指定に際しまして,その時点での土地利用の状況が,戸建て住宅以外の土地利用がされているのが6割以上という,そういう実態があると。それから,市全体の中での位置づけ,いわゆる都心への近接性であるとか,あるいは地下鉄駅への近接性など,すぐれた利便性を備えているというようなことから,現在の第2種中高層住居専用地域に指定がえをしたということでございます。
こういうようなことから,今ご質問のありました,もとの用途地域に戻すべきではないかということでございますけれども,難しいというふうに考えております。
むしろ,総務委員会でもお答えしておりますとおり,当該地区におきましては,地区の住民とその他利害関係者の方々の合意形成をもとに,地区計画制度を活用する方が適切ではないかと考えております。
それから,三つ目の,円山と円山周辺の環境保全対策について,代表質問における市長の答弁の内容に関連してでございますが,円山と円山周辺での新たな環境保全施策を抜本的に強化すべきとの趣旨の質問に対しまして,一定の強制力を持たせるには私権の制限などを伴いますので,行政が強権的に諸制度を指定するのではなくて,住民やその他利害関係者の皆さんの合意を得て行う必要があるという,そういう観点から,慎重にと申し上げたものと理解しております。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 いわゆる用途地域の変更の問題ですが,8年にやっていますから,おおむね5年ごとの変更ですね。今,質問したのは,手続的に難しいのか難しくないのか,つまり制度的にできるかできないかということを聞いたわけですよね。今の答弁は,実態論的に,6割ぐらい超えていると,戸建て以外のものが。だから,なかなか難しいと。(発言する者あり)これが今の実態論的な答弁ですよね。だから,手続的に言うと,これはやれるのですよ。これはやれるのです。やれるの。(発言する者あり)それで,総務委員長ね,余り過激にならないでさ。(発言する者あり)
それで,答弁でもありましたけれども,(発言する者あり)地区計画の導入によって,いわゆる市独自的な枠をかけると,そういうことが考えられる,あるいはやっていこう,そういうことですか。つまり,具体的に高さについても,頭に入れてやっていくと考えていると,こういうことなのかどうかね,これは先ほどの答弁に関係してお尋ねしておきます。
それで次に,本市の景観施策の問題なのですけれども,やはりおくれているのですよ。そのことで一つ聞きますが,指定が今二つですよ。大通地区と駅前北街区地区ですね。この先どうかというと,駅周辺だとかがなっていくのですが,結局,要するに都心なのですわ,これは。そうすると,先ほどゾーンなんかには入っていると,これらの目標として入れたけれども,絵はかいてみたけれども,余り手がつけられないと,こうなるわけですよ。したがって,実際の景観形成地区というのは,地区指定は現在二つなのですよ。ここに,やはり都心に偏った,そういう問題はありはしないかと,私は思うのです。この点,どういうことになっていくのか,どういうふうにふえていくのかということをお尋ねします。
二つ目は円山ですよ。
なぜ円山は景観地区として指定されないのか。円山公園自体は,あるいは天然記念物の部分は,これはもう手がつけられないのですよ,実際は。ところが,周辺で起きてきているということは,いわゆる景観行政が関与するのですよ,ここにかかわるのですよ。
どういうことかというと,円山地区の景観上の主要な問題は,上から見て眺望がいい,山ろくから見て眺望がいい,それから,今度逆に下から,街の方から見て眺望がいい,ここが,いわゆるつくっていくべき景観の主要な問題なのですよ。そこに,とてつもないビルが建てば,景観が崩れるということなのです。そこを見た場合の景観対策,なぜ円山が指定されないのか。ここのところ伺います。
三つ目,本市の景観施策のおくれに関して,金沢市との比較をちょっとやってみました。これは,金沢の条例があります。そうしますと,市長の権限に関するものは,助言,指導または勧告というのがありますが,札幌市の場合は,できるとなっているのですよ。金沢の場合は,しなければならないというように強くなっています。こういう条例の内容でも,強弱がはっきりあるのです。そういった点がやはり具体的な施策に関連しているのじゃないかと思うのでね。
また,大きく違うのは,歴史的なものがありますから,差はあるということはわかりますが,実際,金沢で指定されている景観地区というのは,保存景観地区として49区域,2,042ヘクタールですよ。この違いは,もちろん金沢はもともと歴史的なものを守ってやってきたということはありますが,しかし,いかにも違いがあるわけですよ。
それから,金沢で具体化しているのは,全般的な条例による保存景観形成ということと,いわゆる本市では縦割り行政になっているものが,景観施策の中で位置づけられて,統括されてやられて,そのための独自の条例もつくられています。例えば,斜面の緑地の保全・復活,これも景観施策の中に位置づけられてやられています。用水路の復活・修景,これは暗渠にしたものを掘り起こしてやるのですけれども,これも,いわゆる景観形成施策としてやられている。小さな街並みの保存,これらは全部,それぞれ条例を持っているのですよ。つまり,そういった意味で言うと,本市の景観施策というものは,都心を中心にちょこちょこっと手をつけたということなのです。
その点で,お尋ねしたいと思うのですけれども,これに学んで,やはり緑の問題は緑化推進部という点が出てくるのですが,やはり,総括的に,認識の上でも取り組みの上でも,そういった努力をすべきだというふうに思うのですけれどもいかがか,伺います。
次に,京都の施策・条例と本市の違いです。
ここも,相当具体化されています。京都の美観地区というのがそれですけれども,これは,第1種から第5種の美観地区がつくられていて,この中に,さらにそれと別に,建造物修景地区,沿道景観形成地区,歴史的景観保全修景地区,界わい景観整備地区,この5種と別につくられて,相当な網をかけて,漏れないように保全・形成をやろうと,歴史があれですから,わかります。こういうことに学んでやっぱり具体化を図ってほしいということなのです。ですから,これどう受けとめられるかね。
また,いわゆる強制の問題です。
市長の権限あるいは条例の強制力の問題,この点で,京都の条例は,明らかに本市のものと違います。その一つは,美観地区の5種類の地域のうち,第3種は10メートルを超えるものについての規制基準,第4種は12メートルを超えるものの規制基準,第5種は15メートルを超えるものの規制基準を持っていて,高度制限を設けています。これらの高度基準を超える場合,市長の承認を得るという,市長の承認という事項が条例の中に位置づけられていて,さらに監督処分という規定があって,これらの条例に違反したものに対して,承認の取り消し,効力の停止,条件の変更,新たな条件の追加,工事の停止を命じ,もしくは猶予期限をつけ,建築物その他の工作物の外観の変更,移転,除去その他違反を是正するための必要な措置をとることを命じることができる,こういう規定があります。このほか,条例には,報告または資料の提出,立入調査,公表,命令に違反した者には,罰金を定めた罰則もあります。
そういった点では,明らかに本市の条例は,こういったいろいろ起こってくることについて,やはり強い姿勢で枠をかけるという点では,極めて消極的だと思うのですが,既にこういう規制もかけてやっている,条例でやっているわけですから,その点で,やはりこれを受けとめて,そういった方向をやっぱり検討していくというふうにして,景観形成に全力を挙げてほしいというふうに思うのですけれどもいかがか,伺います。
◎千葉 計画部長 まず,地区計画についてでございますけれども,例えば,円山地区について,市独自のことを何か考えているのかという趣旨だったと思います。
地区計画制度については,札幌市は,今まで100カ所以上指定しておりまして,現在の市街化区域の1割以上,2,400ヘクタール以上の面積で,いわゆる地区指定をしてきております。
私どもは,円山地区について,なぜ地区計画がいいのかということで考えておりますのは,地区計画というのは,敷地の建築物に関するいろんな制限が可能だということでございます。ご指摘の高さの制限であるとか,それから,用途地域で定められている基準のベースの容積率,建ぺい率をさらに絞ることができると,それから,用途の制限も可能だと。
いろいろ金沢市,京都市の話もございました。美観地区も大体似たような仕組みになっているとは思いますけれども,札幌市としては,既存の地区計画制度というものを持ってやってきておりますので,それらの制度を活用した方が,私どもとしては適切だというふうに考えております。
それと,景観形成地区についてでございますけれども,現在,景観形成地区につきましては,大通地区とそれから札幌駅前通北街区,2カ所指定しております。今後取り組もうとしている部分については,今,札幌駅の再開発が進んでおりますので,それに連動させるような形で,札幌駅周辺について,今取り組んでいる最中でございまして,また,その後につきましては,順次,道庁周辺であるとか,そういった部分について進めてまいりたいというふうに考えております。
ご質問の円山地区についてでございますけれども,今申し上げましたような地区計画制度を活用するという手法が,私権の制限につながりますので,これは住民なり関係地権者の合意が前提となりますけれども,それらの制度を活用するという方が,より効果的であるというふうに思っております。
景観形成地区指定に至らなくても,景観条例の中には,景観協定制度というものもございますので,それらの利用も含めて,今後は検討していく必要性があるものというふうに考えております。
それから,金沢市においては,斜面緑地の保全であるとか,水路の復元であるとか,いろんな取り組みがされている,それを条例の中で規定しているというようなことでございました。本市も,局は分かれておりますけれども,緑の保全であるとか,あるいは風致地区であるとか,私どもと所管部局は今も連携してやっておりますし,今後もそういった中で対応していきたいというふうに考えております。
それと,京都市の事例もございました。
京都市も,ご存じのとおり,歴史的な都市でございますので,昔からの街並み景観というか,そういったものがいろいろあって,いろんな種類の美観地区であるとか,さまざまなものが指定されているのだろうと思いますけれども,私どももこれから国際都市さっぽろをつくっていくわけでございますので,いろんなそういう他都市の先行事例もいろいろ見習う必要性はあるかと思いますが,やっぱり札幌市独自のものを考えていく必要性があると思いますし,現状の景観条例の中でも,他法令と連動して景観行政を進めていくということをうたっております。
具体的に言いますと,都市計画法であるとか,建築基準法であるとか,あるいは緑地保全法であるとか,いろんな法律がありますので,それらの法制度と連動して効果的な景観行政を推進してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 (発言する者あり)京都の例もあったし,金沢の例もあったけれども,本市のは一番だみたいな答弁,いただきたくないね。
これは,それぞれの……(発言する者あり)適切であると言ったでしょう。(発言する者あり)適切も何もやる気がないということだよ。だから,円山が犠牲になったのだよ。適切であるなんて言って,まるで今やっているのは,二つしか景観形成地区の指定がなくて,具体化が進んでもいない状況の中で,しかも,ほかの都市計画法だとかって言って,結局,分離するということになるのですよ。結局ばらばらになっていきますよ。
だから,そういった点では,やはり景観行政として全体的に見ないと,円山公園は残るけれども,周辺がおかしくなったと,こういうことになるということなの,言っているのは。
だから,全体を視野に入れたものとして景観施策がかかわらないと,結局,緑の部分はいいけれども,あと周辺は全然だめになったと,こういうことでしょう,今回の例は。そういう反省もないというのは,僕,問題だと思うよ。これね,明らかに景観施策はおくれているのですよ,札幌市は。それを札幌独自などと言うというのはまことに遺憾だね。これね,どうですか。明らかにおくれているのじゃないですか。
だから,やはりいろいろなことを検討して,積極的に取り組むというのが今必要なのではないですか。これ,どなた答えてくれるの。
◎高橋 企画調整局長 ただいま段々のお話をいただいておりますけれども,景観条例できたのは平成10年でございまして,また,大規模建築物等につきましては,この10月からスタートをしたばかりでございます。
そういう意味では,これから一つ一ついろんなノウハウを重ねて,それを蓄積しながら積極的に対応してまいりたいと,こう思っております。
以上であります。
○飯坂宗子 委員長 第4項 都市計画費の質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが,10月13日午後1時から,消防局及び市民局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時42分...